西洋建築史の諸問題ラウンドテーブル第3回
江本弘『歴史の建設:アメリカ近代建築論壇とラスキン受容』を読む
2020年02月29日(土)
西洋建築史小委員会ラウンドテーブル第3回は江本弘『歴史の建設:アメリカ近代建築論壇とラスキン受容』(東京大学出版会、2019)をとりあげます。本書は、著者の博士論文『北米建築論壇におけるジョン・ラスキン受容に関する研究』をもとに、第8回東京大学南原繁記念出版賞受賞(2017)を経て出版されました。
本書は、1840年代半ばから1930年代にいたる北米建築論壇におけるラスキン受容を研究対象としています。膨大な一次資料の解析に基づいた北米建築論壇の通史を描き出しながら、建築の近代の成立を複層的な構築物として建設することを志した意欲的な研究です。
著者は、ラスキンの言説の特殊性に着目します。ラスキンの言説は常に歴史的な位置づけから逃れ続け、ラスキンを論じる論者の価値やイデオロギーの後ろ盾として機能してきました。著者はこの機能の作動自体を緻密に観察し、ラスキン解釈のずれの振幅を立体的に地図化することによって、近代建築の世界史を描き出せると考えました。ラウンドテーブルでは、著者によるこの方法の射程を精査し、その可能性と課題を浮き彫りにします。
本企画では、後藤武氏、近藤存志氏、頴原澄子氏の3名からの報告のあと、著者江本弘氏との議論を行います。円卓=ラウンドテーブルの名の通り来場者の方も議論に参加いただければ幸いです。
- 日時
- 2020年2月29日(土)15時〜17時30分
- 出演
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江本弘(千葉大学)
後藤武(株式会社後藤武建築設計事務所)
近藤存志(フェリス女学院大学)
頴原澄子(千葉大学)
(敬称略) - 参加費
- 無料
- 定員
- 50名(事前申し込み不要)
- 主催
- 日本建築学会 西洋建築史小委員会 西洋建築史の諸問題ワーキンググループ
問い合わせ先は下記詳細ページの画像をご覧ください。