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シンポジウム第6回 建築論の問題群:技術 
「建築デザインにおいてテクノロジーという視点は有効か」

本イベントは延期となりました。
2020年03月07日(土)

日本建築学会建築論・建築意匠小委員会では、テクノロジーの発展が建築家とエンジニアの協働にどのような変容をもたらすのか、テクノロジーは建築デザインをどこに導こうとするのかをテーマにシンポジウムを企画する。

かつて近代建築を語る際、「機能的なものは美しい」という命題が繰り返された。戦後日本において、幾人かの建築家はテクノロジーの進歩を素直に建築に表現すれば自ずと近代建築になり、今は見た目が無骨であろうとも、方法が正しければいずれ必ず美しくなる、と信じてきた。さらにその方法を愚直に継続すれば良き社会(ユートピア)に近くとさえ考えられた。

これに対して、建築家・丹下健三は構想力を強調して「美しきもののみ機能的である」と啖呵を切り、構造家・坪井善勝は「美しさは合理性の近傍にある」と説明した。丹下と坪井の言葉は意匠と構造、建築デザインとテクノロジーの不安定で繊細な関係を言いあてようとしたものである。

21世紀に入ると、耐震技術のみならず、空調制御、断熱性能評価、二酸化炭素排出量、エネルギー管理、積算に至るまで、建築設計に関わる様々なシミュレーションが小規模アトリエでも気軽に行える時代になった。ここで危惧されるのは、社会全体がAIに代表されるテクノロジーの万能さに酔いしれ、インスタ映えするテクスチャーに胸躍らせる間に、建築デザインは富裕層のための装飾に逆戻りし、無自覚に社会の分断を後押ししている、という懸念である。

今回のシンポジウムでは、「建築デザインにおいてテクノロジーという視点は有効か」を問いに対して、各パネリストに自由に議論を展開していただく。

日時
2020年3月7日(土)14時30分〜18時(開場14時)
出演
内藤廣|建築家/東京大学名誉教授
豊川斎赫|千葉大学准教授
土居義岳|九州大学名誉教授
平田晃久|建築家/京都大学教授
(敬称略)
参加費(資料代)
一般1500円/学生500円
定員
150名(当日先着順)
主催
日本建築学会・建築論建築意匠小委員会
協力
法政大学 下吹越武人研究室
会場
法政大学市ヶ谷田町校舎5階マルチメディアホール
東京都新宿区市谷田町2-33
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