旧本野精吾邸(現・木村松本建築設計事務所)一般公開
2020年01月19日(日)
この建物は、京都高等工芸学校(現・京都工芸繊維大学)教授を務めた建築家・本野精吾(1882―1944)の自邸として、本野によって設計され1924年に竣工したものです。「中村式鉄筋コンクリート建築」という特殊なコンクリートブロック(通称:鎮ブロック)を用いて建てられた、合理性を追求した建築です。
この構法では従来壁面をモルタルなどで仕上げていましたが、本野邸ではブロックを剥き出しにして用いています。室内では、食堂と居間の間仕切りを除去して機能性を高め、天井高を低くすることで階段の段数を減らし動線を短くしています。竣工当時はブロックの空洞を用いて暖気を建物全体に廻らせようとしたようです。窓の上部や建物の最上部に取り付けられた軒や庇は、日本の風土や気候を考慮したもので、ヨーロッパのモダニズム建築にはない特徴です。実験的な試みを徹底した、日本における最初期のモダニズム建築です。
2007年にはモダニズム建築の保存に関する国際組織DOCOMOMO Japanより日本を代表するモダニズム建築100選の1つとして選定され、2016年には京都市による「京都を彩る建物や庭園」に認定されるなど、近年その文化財的評価が高まっています。
今後の継承と活用のために、住宅遺産トラスト関西がコーディネートするかたちで、2019年4月より木村松本建築設計事務所として使われ始めています。今回は、本野邸の新たな活用が始まったことを記念して、一般公開することになりました。多数のご来場をお待ちしております。
- 日時
- 2020年1月19日(日)
公開時間:10時~17時
ギャラリー・トーク:14時~15時30分 - 出演
- 住宅遺産トラスト関西のメンバー
- 参加費
- 一般1,000円/学生500円
申込不要
収益は本野邸の修復費用に充当 - 主催
- 一般社団法人住宅遺産トラスト関西
- 後援
- 一般社団法人DOCOMOMO Japan
京都工芸繊維大学KYOTO Design Lab
認定NPO法人古材文化の会 - 特別協力
- 木村松本建築設計事務所
- 会場
- 京都市北区等持院北町58