今井兼次 不死鳥のモザイク
細部に宿る、造形の魂
2019年09月14日(土)〜2020年01月13日(月)
日本に欧米の芸術家、特にアントニオ・ガウディを紹介したことで知られる今井兼次は、情熱を注いで創作に取り組んだ建築家で、精神性の高い作品を残しています。作品の数は決して多くありませんが、一部の建築は、その魅力にひかれた人々が補修し、蘇らせ、時には断片的に残して今に伝えてきました。
2018年度、モザイクタイルミュージアムは、大阪商工信用金庫より、旧東邦商事本町ビル屋上に施工されていた作品の断片を受贈いたしました。これは、今井兼次が「フェニックス・モザイク」と呼ぶ手法によって製作した、高さ約12m、幅約18m、奥行きも2.5mを超える大作「糸車の幻想」の左上に位置していた「織女星(おりひめ)」の部分です。ビルの跡地には、安藤忠雄の設計により大阪商工信用金庫本店ビルが新築され、最新技術を駆使して「糸車の幻想」が再制作されましたが、今井の手掛けた当初の部分として残されたのは、この「織女星」と、再制作のためのサンプルとして各所から取り外された陶片(当館寄託)を含め、ごくわずかとなりました。
本展は、この「糸車の幻想」にまつわる経緯を中心に、今井兼次の作品の中から大多喜町役場、東洋女子短期大学(現 東洋学園大学)の「フェニックス・モザイク」、名古屋テレビ塔などにも触れながら、豊かな感性と合理性を併せ持つその魅力を伝えようとするものです。
- 日時
- 2019年9月14日(土)~2020年1月13日(月・祝)
- 休み
- 月曜日(休日の場合は翌平日)
12月29日~翌1月3日 - 入場料
- 一般310円/高校生以下無料
- 主催
- 多治見市モザイクタイルミュージアム
- 企画協力
- 村瀬良太(建築史家)
- 会場
- 多治見市モザイクタイルミュージアム
岐阜県多治見市笠原町2082-5