第9回デザイン基礎学セミナー
「密室を解放するデザイン — 境界を超える社会・空間・生活・思想を求めて —」
2019年07月12日(金)
近代以降、特に20世紀以降はある意味生活空間、社会空間の密室化が進んだ時代であった。個人の権利が守られ、境界が設けられ、人々はコンクリートといった近代の建材によって区切られた空間に生まれ育ち、生活をするようになった。
それは同時に社会構造や思想、地域デザイン、家屋のデザインにも表現されている。ここではそれを「密室化」と呼ぶ。「密室化」は学問的アプローチにも見られ、全人格的知恵や思想よりもより専門化し、区切られた思考が重んじられるようになった。
家庭も、学校も、それぞれ空間的にも社会的にも密室化し、そこに新たな暴力や閉そく性が生み出されている。21世紀はこの20世紀の閉そくを脱するために、「密室の開放」を求める時代であるべきだと考えている。
開かれた空間、開かれた社会、偶発的な出会いやコミュニケーションによって即興的に構成される世界。これが生命系をより豊かにし、自らの閉そく性を打破するために人類が獲得すべき方向性なのではないか。それを筆者が長年のフィールドとして通ってきた中国内陸部の黄土高原の村を一つのモデルに描いてみたい。
- 日時
- 2019年7月12日(金)16時30分〜18時30分
- 出演
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深尾葉子
大阪大学大学院言語文化研究科・言語社会専攻 教授
(敬称略) - 料金
- 無料
一般参加可能 - 主催
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九州大学大学院芸術工学研究院
九州大学グローバルイノベーションセンター - 会場
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九州大学大橋キャンパス デザインコモン1F
福岡市南区塩原4-9-1