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読書の学校 福嶋聡 × 百々典孝 × 中川和彦「これからの書店と愛する本」

2019年03月30日(土)

私たちが当たり前のように、通っている地元の本屋や書店が苦境に立たされています。2019年1月には、大阪を代表する天牛堺書店が、惜しまれながらお店を閉じました。シャッターに貼られた読者からのメッセージはSNSでも大きく拡散され、報道されました。

全国出版協会が公表している日本の出版統計によれば、1996年をピークに毎年5%近く出版物の売上高は減少しており、
大型書店は岐路に立たされています。

今回は、書店の枠を越えて、これからの書店と本について考えるために、店頭で汗を流しお客様と向き合い続けてきた三者をお招きして、それぞれのご経験や愛する本について、お話いただきます。

ジュンク堂書店の福嶋聡氏は、作家を書店の店頭にお招きして、直接読者の前でお話をしていただくイベントの嚆矢であり、ご自身店頭に立ちながら、POSレジがない時代から時代を経るごとに、その意義と意味を問い続けている書店研究の第一人者です。書店は競争するのではなく、協奏するのだと叱咤激励した『希望の書店論』や、書店を言論のアリーナにと書いた『書店と民主主義』など、書きつむいできた6冊の本にはそれぞれの時代が、しっかりと映し出されています。

紀伊國屋書店の百々典孝氏は、本を単純に商品とは見ずに、その本の背景にどんな人がいて、どんな想いでその本を届けたいのかを汲み取って、今この時代に必要な本を新しい読者に手渡し続けています。自身の書店だけではなく、大阪の問屋と本屋の力を集めて、「ほんまに読んで欲しい1冊」を選び、その本の販売で得られた収益の一部を社会福祉施設を通じて、大阪の子供たちに本を寄贈するOsakaBookOneProjectは、毎年大きな話題をよんでおり、5年間で累計販売は15万部を超え、約500万円分の図書寄贈を行いました。

スタンダードブックストア代表の中川和彦氏は、本屋は何の目的もなくふらっと入れて、偶然出会った本を何冊も立ち読みし、その本を買わなくても何の罪の意識も感じずに出ていける稀有な場所だと、改めて教えてくれました。ブックアンドカフェを考えたらアメリカのバーンズアンドノーブルまで見に行き、雑貨と本屋の可能性を探しに名古屋のヴィレッジヴァンガードをのぞきにいく。何事も自身の目と足で確かめながら、大阪の真ん中に、誰もが自由に出会えて、みんなから必要とされる場所を営まれています。作家と読者との垣根を取り払う連日のイベント。ベストセラーではなく、自分たちの目で選び抜いた数々の本。中川氏の話を聞いているだけで、本屋には可能性しかなく、青空のような視界が広がってきます。

三氏が考えている未来の書店と、そして、何よりも愛している本について存分にお話しいただきます。
是非ご期待ください。

日程
2019年3月30日(土)19時~21時(開場18時30分)
出演
福嶋聡|ジュンク堂書店
百々典孝|紀伊國屋書店
中川和彦|スタンダードブックストア
聞き手 三砂慶明|梅田 蔦屋書店

(敬称略)

料金
1,500円
定員
80名(事前申し込み制)
主催
読書の学校
共催
梅田 蔦屋書店
会場
梅田 蔦屋書店 4thラウンジ
(大阪府大阪市北区梅田3-1-3 ルクア イーレ)
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