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シンポジウム都市史研究の最前線「都市空間の物質性(マテリアリティ)」シリーズ第1回 『都市・建築と物質のあいだ』

2018年12月23日(日)

本シリーズは都市史を空間の物質性(マテリアリティ)という観点から再考しようとするものである。物的側面から建築を考えることは(狭義の)建築史ではある意味で当然の方法として行われてきた。しかし、近年、考古学や人類学、美術史の分野では物質性に固有の次元を見出そうとする考え方が重要な概念となっており、新シリーズの第一回にあたる今回は、この観点を都市史研究へ適用し、とくに即物的な局面に着目する。

物質性の観点からは建築・都市空間は人工物というよりも自然界の物質と同一の地平で捉えられる。また、素材の段階から成形され改造され解体されるまでは一続きの物質の過程と見なされる。物質と建築・都市空間の間を一連のものとして広く捉えたたうえで、その連関や境界、人間との相互作用に迫ることが必要であろう。そのための作業仮説として、人工物としての建築・都市空間という通常の見方に加え、近年の「モノ」に固有の次元を見出そうとする見方、それらを分解した石、木、コンクリートなど素材としての次元というように三つの位相に分けて考えてみたい。とくに第二、第三の位相から建築・都市空間はどのように捉えることができるだろうか。

シンポジウムでは建築史に加えて物質文化、考古学、人類学の専門家を迎え、物質性の観点からの建築・都市空間の再考や、人間の実践と建築・都市空間との相互作用的な関係について論じ、建築史分野都市史研究の原点としての空間自体を問い直す契機としたい。

日程
2018年12月23日(日)10時〜17時30分
出演
趣旨説明 初田香成(工学院大学)
建築と都市空間 物質性からのアプローチ ジョルダン・サンド(ジョージタウン大学)

セッション1 物質から見た都市空間
遺構から見た中世京都 山本雅和(京都市埋蔵文化財研究所)
東京の石垣・掘割・原地形 高道昌志(首都大学東京)
コメント 伊藤裕久(東京理科大学)+高橋元貴(東京大学)

セッション2 物質と人間の相互作用
公共浴場建設案と首都フィレンツェ 曽田涼子(近畿大学)
ジャカルタ都市圏における百年カンポンの形成 林 憲吾(東京大学)
都市におけるモノのエージェンシー イスタンブルの耐震都市再開発プロジェクトを事例に 木村周平(筑波大学)
コメント 青井哲人(明治大学)

(敬称略)

料金
一般2,000円 学生1,000円
資料代含む
定員
60名(事前申し込み制・先着順)
申し込みページ
https://www.aij.or.jp/event/detail.html?productId=615519
主催
日本建築学会 建築歴史・意匠委員会 都市史小委員会
会場
建築会館 会議室
(東京都港区芝5-26-20)
  • JR山手線・京浜東北線田町駅(三田口)より徒歩3分
  • 都営地下鉄浅草線・三田線三田駅(A3出口)より徒歩3分
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