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第90回 すまいろんシンポジウム「かしこいエコリノベ」

2018年10月03日(水)

日本国内で最盛期90万人いたと言われている建設職人数は現在39万人、10 代に至っては千人単位でしか職人が存在しないという。そして今後突き進む人口減少と超高齢化の中その数が増加することは考えにくい。つまり建築を作る職人組織の再組織化は二度と起こらないと考えるのが自然である。将来、建築はどのように作られるのだろうか。テクノロジーを駆使したプレファブリケーション化が一層進むだろうし、これまでサービスの一方的な受け手であった一般ユーザーが、近い将来、DIY によって建築をつくる場面での主役になる可能性が高いのではないだろうか。その時に建築を作ってきたサイドが一方的に持っていた情報がより一般ユーザーに開かれたものになっていく必要があるのは言うまでもない。

世界に目を向けてみると、パリ協定のような国際協定での公約を果たすために、経済産業省が掲げた目標は既存住宅の半数以上をZEH(ゼロエネルギーハウス)にすることで、二酸化炭素排出量の削減目標を達成しようとしているものの、国内の新築着工件数は減少の一途であり、既存住宅の活用が求められている。6000万戸以上の既存住宅のうち、そのうち実に820万戸以上が空き家になっていて、既存住宅の約39%は、無断熱かそれに近い低い断熱性能しか持ち合わせていないという。

今、我が国においては、既存住宅の高気密高断熱化等の省エネルギー化を図ることは、快適で健康に優しい住まいをストック活用でも提供できるようになることにとどまらず、昨今問題となっている環境問題や、全国的に縮退する地域からのキャッシュアウトへの歯止めにもつながる。さらに、断熱化の建材や代替エネルギー源としての森林資源の活用は、輸入置換として大きな産業への可能性を秘めている。以上の観点から、一般ユーザーが省エネルギー化の住宅の高気密高断熱化改修(リノベーション)を自ら行う社会の到来を予測して見てはどうだろう。

既存住宅の一般ユーザーによる断熱改修が、住宅産業や建材メーカーにもたらす新しいビジネスの可能性、国内の地方都市に与える効果、森林資源を活用したあたらしい産業のポテンシャルを考え発信し、普及することで実践が生まれることを目的とし、本テーマを企画した。

日程
2018年10月3日(水)14時~17時15分
出演
主旨解説
嶋田洋平((株)らいおん建築事務所代表取締役)

講演
伊藤明子(国土交通省住宅局長)「これからの日本の住宅市場」
松村秀一(東京大学 教授)「日本の住宅と部品の潜在能力を解き放つ」
松尾和也(松尾設計室)「省エネルギー住宅が日本を変える」
竹内昌義(東北芸術工科大学 教授)「高気密・高断熱の住まいのデザイン」
(敬称略)

料金
無料
定員
70名(事前申し込み制)
主催
一般財団法人 住総研
企画
嶋田洋平((株)らいおん建築事務所、住総研すまいろん編集委員)
会場
AGCスタジオ(東京都中央区京橋2-5-18京橋創生館2階)
アクセス:https://www.agcstudio.jp/access
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