ビルと省エネルギー(パッシブ改修・ZEB・環境性能評価)
パリ協定(COP21)では、2030年までに世界の気温上昇を産業革命以前との比較で、2°Cまでに抑える努力目標が提言されています。今後、一部の国を除き世界的に排出量削減の動きが強まると予想される中、日本政府は2030年度の温室効果ガスの排出について2013年度の水準から26%削減することを中期目標に定め、ビル事業者は省エネと創エネの必要に迫られています。ビルの省エネ・創エネ化実現のためには、設備機器の高効率化や断熱性能の向上、自然エネルギー活用などの手法を総動員する必要があるため、大型の新築ビルなどは取り組みが進んでいますが、既存の、取り分け中小ビルでは遅れているのが現状です。そこで今般、当協会では、機関誌BELCA NEWSで異なった切り口で繰り返し取り上げてまいりましたビルの省エネルギー特集の中から、皆様のお役に立つ論文や事例を選び、書籍として発行することといたしましたので、これを契機として標記セミナーを開催することといたしました。
第1部では、千葉大学の川瀬貴晴先生から、2030年に向けた既存ビルの省エネ・創エネ化の最前線と今後の技術的課題について、そして、国土交通省の担当官から、本年度より全面施行された建築物省エネ法の最新動向と省エネ基準への適合率の向上に向けた今後の施策について、ご講演頂きます。第2部では、早稲田大学の田辺新一先生から、2030年に向けて快適性に配慮しつつZEB(Zero Energy Building)を普及させていくためのロードマップについて、また、(株)竹中工務店の高井啓明プリンシパルエンジニアから、先端的事例である同社東関東支店ビルにおけるZEB化改修の概要と最新の運用実績について、ご講演頂きます。
本テーマは今や、わが国における持続的社会の形成に向けた最重要課題の一つであると申しても決して過言ではありません。皆様どうぞ奮ってご参加くださいます様お願い申し上げます。
- 日程
- 2018年1月16日(火)13時30分~16時45分
- 出演
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第1部
「2030年に向けた既存ビルの省エネ・創エネ化」
講師:川瀬貴晴(千葉大学グランドフェロー)
「建築物の省エネ施策の動向」
講師:山下英和(国土交通省 住宅局 住宅生産課 建築環境企画室長)第2部
「日本のZEBの将来」
講師:田辺新一(早稲田大学 理工学術院 創造理工学部 建築学科 教授)
「竹中工務店東関東支店ビルにおけるZEB化改修とその運用」
講師:高井啓明(株式会社竹中工務店 設計本部 プリンシパルエンジニア(環境担当))(予定・敬称略)
- 料金
- 一般8,000円
- 定員
- 100名(事前申し込み制)
- 主催
- 公益社団法人ロングライフビル推進協会(BELCA)
- 会場
- AP浜松町(東京都港区芝公園2-4-1芝パークビルB館地下1F)