「建築情報学会」キックオフ公開企画会議 ver. 0.1
CADやBIMに限らず、およそ建築の設計や施工、研究に関して情報技術の恩恵にあずからない日はない。しかし、様々な情報技術の応用が学問体系よりはるかに先行してしまっているのが実情で、そうした情報的実体、その操作の持つ意味や可能性、ひいては情報技術と建築技術の融合に関する50年以上の歴史の整理も十分にされないままである。日々刻々と職能やその制度、組織が根底から変革される現実が迫りつつある。巷では人工知能やロボティクスが、多くの分野からの協働や投資を呼び込んでいる中、建築や都市は、本来より大きなスケールで多様な技術やビジネスの社会実装の基礎となるプラットフォームを構築し得るポテンシャルを持っている。「建築情報」という観点により、既存の建築学の体系を横断的に再編し、より広範な連係を促進することが必要不可欠である。
「建築情報学」という枠組みを想定するに、現段階では定義もコンセンサスも確立されていないものの、現実に先行する多様な視点やアプローチを許容することから始められるのではないか。そのためにまずは、何か既にそこに存在してしまっている価値を理解し、共有することを目指し、「建築情報学」のあり方に関する議論の機会を整えたい。
「建築情報学」は、単に情報通信技術を応用して建築学の課題を解くのではなく、「建築」を情報体系の広がりの先に、より広義に再定義する試みであり、ここにその建設的展開のためのプラットフォームとなる「建築情報学会」の立ち上げを目指す。そのために、広く専門家・一般からの参加と意見を募り、様々な立場からの建設的討論の機会を設ける。
立ち上げ活動のメディアパートナーである『10+1 website』の2017年12月号では、「建築情報学」の特集が組まれ、また2018年には今回のキックオフ会議の議論を基に、隔月で全6回のテーマ別公開企画会議を順次開催し、学会の構造の議論を募るとともにその記録を公開する予定である。また「HEAD研究会」との共催とすることで、より多様な建築実務との接続の可能性を探る。まずは現時点での概要を共有し、今後のプロセスとあり得べき体系を議論する初の機会となる、この度のキックオフ会議にぜひ幅広いご参加を募りたい。
学生から重鎮まで、建築分野の内外を問わず、新しい知の体系、価値醸成のプラットフォームの立ち上げに、忌憚のない意見を述べに来ていただければ幸いである。あなたの一言が、21世紀の新しい学問分野の核を形成するかもしれない。
- 日程
- 2017年11月17日(金)19時〜21時30分(18時30分開場)
- 出演予定
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松村秀一(東京大学大学院工学系研究科建築学専攻教授、一般社団法HEAD研究会副理事長)
池田靖史(慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科教授、IKDS代表)
角田大輔(日建設計デジタルデザインラボ室長代理)
木内俊克(木内建築計画事務所、東京大学大学院工学系研究科建築学専攻助教)
新井崇俊(hclab、東京大学生産技術研究所特任助教)
堀川淳一郎(Orange Jellies、東京芸術大学芸術情報センター非常勤講師)
石澤宰(株式会社竹中工務店 東京本店設計部 課長)
豊田啓介(noizパートナー、gluonパートナー)
(敬称略) - 主催
- 建築情報学会キックオフグループ
- 共催
- 一般社団法人HEAD研究会
- 会場
- Impact HUB Tokyo イベントスペース(目黒区目黒2-11-3)
イベント登録日:2017年10月27日
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