新型コロナウイルス感染拡大にともない、掲載時からイベント内容が変更となっている場合がございます。

シンポジウム 都市史研究の最前線「都市と大地」シリーズ 
第4回『大地の表層と人びとの暮らし』

2017年12月08日(金)

2014年より開始した日本建築学会都市史小委員会シンポジウムは、〈都市と大地〉と題したシリーズをこれまで3回にわたり開催してきた。第4回のテーマとして、これまでの基盤、地質、土地、と重ねられてきたレイヤーのような概念の最上層となる「大地の表層」、そしてそこで営まれる「人びとの暮らし」を取り上げたい。

大地のすべてをコントロールすることは不可能であり、その地形、地質、また大きな自然災害によっても、人の暮らしは大きく動かされる。しかし大地を覆う表層を掘削し、開拓し、埋め立て、耕すことで、人びとはそこに生活を作り上げ、暮らしてきた。今シンポジウムでは、まず大地の表層に人の手により作り出された居住環境と、そこに生まれる暮らしについて3名の方にご報告いただく。一方で、コントロールされない、大地の持つ本来的な力に左右される状況において、人の手や計画に寄らない大地の表層の利用のされ方と暮らしについても取り上げたい。具体的には、祭礼や祈りの場に見る土地の神性や聖地の扱い、また市場、闇市という仮設的もしくはイリーガルな利用など、大地の表層を人びとが捉え、利用して営まれる日常から非日常にわたる暮らしにつながる行為という視点で、後段の3名の方にご報告をお願いした。6本の報告を通して、基盤である大地の表層に創り出される領域と、その上を動き、広がり、築かれる人びとの暮らしを含めた都市の「価値」を総体として捉えることを試みる。今クールのテーマ〈都市と大地〉は、都市や居住、ひいては人びとの暮らしを支える前提である「大地」を主題とし捉え直す試みであった。〈都市と大地〉シリーズの最後において、改めて大地の上で繰り広げられる人の営みに着目し、「大地」を切り口とすることで浮かび上がる論点を考えていきたい。

日程
2017年12月8日(金)10時~17時30分
出演
趣旨説明:栢木まどか(東京理科大学)

「有明海沿岸地域における干拓村落の展開-開発手法の差異に見る近世新田村の多様性-」牛島朗(山口大学)
「炭住の成立と衰退に見る大地と暮らし」大月敏雄(東京大学)
「津波被害と集落再編」岡村健太郎(東京大学)
コメント:松田法子(京都府立大学)

「戦災都市東京の地表に叢生したマーケットとバス住宅」石榑督和(東京理科大学)
「都市祭礼における人びとのつきあいと民俗」八木橋伸浩(玉川大学)
「水の聖地と都市領域−基層構造と祝祭、市場、名所」高村雅彦(法政大学)
コメント:中川理(京都工芸繊維大学)

全体討論
(敬称略)

料金
一般2,000円、学生1,000円(資料代含む,当日会場でお支払いください)
定員
60名(申し込み先着順)
申し込みページ
http://www.aij.or.jp/event/detail.html?productId=610190
主催
日本建築学会 建築歴史・意匠委員会 都市史小委員会
会場
建築会館 会議室
(東京都港区芝5-26-20)
  • JR山手線・京浜東北線田町駅(三田口)より徒歩3分
  • 都営地下鉄浅草線・三田線三田駅(A3出口)より徒歩3分
会場の場所をGoogleマップで開く
スポンサーリンク