中村昌生 第34回茶室見学会 大徳寺「忘筌」(重要文化財)
2017年11月11日(土)
狐篷庵(こほうあん)は、臨済宗大徳寺派大本山大徳寺の境内の西端に位置し、「狐篷」とは「一艘の苫舟」の意で春屋宗圓から授かった号です。その茶室の「忘筌」とは、「魚を得て筌を忘る」という意味で禅の悟りの境地と結び付けられています。
狐篷庵は、慶長7(1612)年に黒田長政が創建した塔頭で、小堀遠州が庵を建立し、その後、現地に移築しましたが、寛政5(1793)年の火災により焼失しました。その後、松江藩主松平治郷が古図に基づき忠実に再現されましたので、小堀遠州好みの茶室といわれています。
遠州は、茶の湯を完成した千利休の侘びの草庵茶室に対し「武家の茶法」を茶の湯に取り入れ、書院造の構えで茶室を完成させたといわれています。茶室は、9畳に1間床がつき、3畳の相伴席が設けられております。座敷の外には、広縁、落縁があり、縁先に中敷居を設け、上を明かり障子、下を吹き放しとし、にじり口に変わる席入り口としています。この吹き離しは「舟入の構成」とも称され、露地を眺める際の額縁となっています。
茶室は、重要文化財に指定された特色のある歴史的な遺構です。
今回も中村昌生先生のお話を聞きながら晩秋の古都で、茶の湯の境地をお楽しみ下さい。
- 日程
- 2017年11月11日(土)13時~16時(予定)
- 見学先
- 大徳寺 狐篷庵「忘筌」(京都市北区紫野大徳寺町66)
- 集合
- 現地
京都市営地下鉄「北大路」下車 徒歩約25分
京都市営バス「船岡山」下車 徒歩約5分/「佛教大学前」下車 徒歩約2分 - 出演
- 中村昌生(京都工芸繊維大学名誉教授)
(敬称略) - 料金
- 一般6,000円、学生半額
- 定員
- 35名
- 主催
- 一般社団法人 日本建築協会