私たち日本人は、昔から自然素材に囲まれた暮らしに慣れ親しんできました。特に「木」からは家具をはじめ、あらゆる生活の道具が生み出され、先人たちはこれからのモノを様々な知恵や工夫を凝らし、長く愛用できるよう大切に使用してきました。

現在は技術の向上もあり、手軽で使い勝手のよいモノが沢山ありますが、そのなかでも愛着をもって長きにわたり使用されているものは、いったいどれくらいあるのでしょうか？
多くのモノが生産され、消費されていく時代において、本当に豊かな暮らしをもたらしてくるモノとは？モノに愛着を持つということは、いったいどういうことか・・・。

今回、武蔵野美術大学名誉教授の島崎 信氏をお招きし、氏が所有する椅子「Yチェア（1959年製）」の物語を通して、モノとの素敵な出逢い方、上手な付き合い方についてお話します。会場内では実物の「Yチェア（1959年製）」も展示し、時間と愛情によって育てられた美しい椅子の経年変化を、直接ご覧いただけます。

なにげない日々の暮らしが、かけがえのない豊かな暮らしに変わるー。愛着をもって、家具や道具を使う愉しみ方をご紹介します。