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浅葉克己個展「アサバ△の家。」

2017年06月15日(木)〜2017年08月01日(火)

「アサバ△の家。」と題した今回の個展は、生前の内田繁に依頼されたものだ。

1989年、九州博多にイル・パラッツォが誕生した。アルド・ロッシの日本で初めての建築だ。内田繁が初めてアートディレクションという言葉を発して、内装とホテル全体をまとめた。ホテル・イル・パラッツォは、階段を駆け上ると精神と肉体を震え上がらせる程の巨大な「門」が迫って来る。ここは博多じゃない、ローマだと錯覚させてしまう。オープニング当日、博多の街で飲み、イル・パラッツォに酔っていた僕は、内田繁に紹介してもらい、この時の衝撃を再現するべく港区南青山の土地にアルド・ロッシの建築を注文した。

1991年、3階建てのビルが完成した。この地から発信し続けた紙媒体と映像の作品群は晴海埠頭の浅葉デザイン室の倉庫に保管してある。それらの一部は2015年1月にgggでの第341回の個展で展示。ポスターのアーカイブ(記録保存)をしたいと注文も来ていた。gggの北沢永志さん、尾澤あずささんに倉庫へ何度も足を運んでもらった。「デザイン生活60年、卓球生活40年、書道生活20年」の軌跡の作品が眠っている。作品と一緒に版下も眠っている。二人は目を輝かせて、今ではもう消えてしまった版下を若者に見せたいという。青春時代から僕の背中に張り付いている「タイポグラフィ」の作品を創ろうと思い、ASABA’S COLLAGEを10点制作した。今回はこの作品を中心に展開したい。

亡くなる少し前に病院から内田繁の電話。「おーい、たのむよ」。アルド・ロッシ設計、内田繁内装。展覧会名を浅葉克己個展「アサバ△の家。」とした。この家から発信された表現物を見てください。

今、一番気に入ってる言葉は、レヴィ・ストロースの悲しき熱帯に出てくる「世界は人間なしに始まったし、人間なしに終わるだろう」。訳者の川田順造さんが選んだ人類への警句だ。そう思うと文字やデザインの発見は、今始まったばかりだ。

浅葉克己

日程
2017年6月15日(木)~8月1日(火)11:00~19:00
※2017年8月1日(火)のみ 17:00まで
料金
無料
主催
株式会社グランビスタ ホテル&リゾート/札幌グランドホテル
会場
グランビスタギャラリーサッポロ(札幌市中央区北1条西4丁目 札幌グランドホテル1階メインロビー内)
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