土田昇 × 甲野善紀「道具の後ろに見えてくるもの――日本の鍛冶文化・近代の歴史をひもとく」 『職人の近代――道具鍛冶千代鶴是秀の変容』(みすず書房)刊行記念

2017年05月31日(水)

近代化の号令のもとに変質を遂げ、便利さの追求が加速されていった明治以降の日本で、ものを作ること、そして、自分たちの担ってきた文化の本質をなんとか健全に後世にのこしてゆこうとする営みとはどういうものだったのでしょう。

それまでなかった新しい価値観のもとに、はっきりと区切られた「職人」と「芸術家」という二つの異なるありかた。そのはざまで、職人の矜恃をもちつづけながら「実用」と「美」の境界を乗り越えたのが、刀工家に生まれ、廃刀令後の時代に大工道具鍛冶として名を上げた千代鶴是秀(ちよづる・これひで 明治7―昭和32)でした。

「数十年前の日本に、こんなすごい人がいたのか」「日本の大工道具文化がこんなに精緻で豊かなものだったのか」――そんな驚きとともに、是秀の作品と生き方を通して日本の文化、社会の意識の変化を考えさせずにはおかない、道標の書。

近代化とはいったい何か。わたしたちは、これからどう生きていけばいいのか。武術研究者の甲野善紀さんをゲストに、著者の土田昇さんと一緒に考えます。

日程
2017年5月31日(水)19:00~20:30(開場18:30)
出演
土田昇
甲野善紀
(敬称略)
料金
1,350円
定員
50名