森一郎「ニーチェの主著『愉しい学問』で遊ぶ 「声に出して読める」哲学書の魅力」
2017年03月18日(土)
ニーチェといえば『ツァラトゥストラはこう言った』が有名ですが、それに劣らない重要性をもつ著作が、『愉しい学問』です。長らく『悦ばしき知識』と訳されてきた題名 “Die fröhliche Wissenschaft” は、英語では “The Gay Science”。日本語としては、『愉しい学問』がピッタリです。ニーチェが「神は死んだ」という言葉をはじめて公表したのも、「永遠回帰」思想をはじめて表明したのも、この本です。
とはいえ、硬軟おりまぜての多彩な文体は一書全体が表現実験といえるほどで、愉快な仕掛けにみちています。文学的芳香という点では、とりわけ序曲「たわむれ、たくらみ、しかえし」と付録「鳥のように自由王子の歌」がおすすめです。ドイツ語の流麗なテクストを日本語に再現するのは困難をきわめましたが、もともとのねらいであった「声に出して読める哲学書」に訳せたのではないかと自負しています。
今回は、本書を味わうためのツボを紹介するとともに、実際にいくつか選んで声に出して読みます。ニーチェの哲学的世界で愉しく遊びましょう。
- 日程
- 2017年3月18日(土)11:00~13:00(開場10:30)
- 出演
- 森一郎
- 会場
- 八重洲ブックセンター本店(東京都中央区八重洲2-5-1)
- 料金
- 500円(税込)
- 定員
- 80名