山地咲希展「CACTUS」

2016年11月12日(土)〜2016年11月26日(土)

植物からインスピレーションを得て制作する若手ペインター、山地咲希。今回の個展では、異形の植物ともいえるサボテンをメーンの画題に選びました。サボテンから連想する荒々しい質感を取り入れながら、具象と抽象の間を行く作風で生彩に富む画面を作り上げています。

山地がサボテンに興味を持ったきっかけは、そのたたずまいが人間のシルエットとだぶって見えたことでした。人間に優しく微笑みかけるとか、人間を見つめ返すとかいうことはなく、だれのことも気にしていないかのように無表情。その得体のしれない植物の、たった一つの形が人に似ていたというだけで、にわかに親近感がわいてきました。

冬、色があせて枯れたと思っていたら春に芽を出したのを目の当たりにし、ハッとしたこともありました。山地にとって、こうした主観的な体験は創作上の重要な手がかりですが、いったん制作に入ると、内面をストレートに投影することはしませんでした。むしろサボテンを周到に対象化したうえで、魅惑的なイメージを探り出そうとしています。

イメージをつくるのは色と形とマチエール(絵肌)。皮膜の層をつくるように透明絵具を塗り重ね、ときどき不透明絵具をはさんではまた透明絵具を重ねていく。そうした手作業の中から見えてくるものをつかみとっています。サボテンを題材にした新作を中心に油彩画十余点を出品。

日程
2016年11月12日~11月26日 12:00-19:00
休み
月・火曜
会場
橘画廊(東京都千代田区外神田6丁目11-14 3331 Arts Chiyoda 205b)
料金
無料
出展作家
山地咲希(敬称略)