「クリエイションの未来展」第8回 隈研吾監修 「Advanced Design Studies, The University of Tokyo. 新しい建築教育の現場」
現在、構造家、デザイナー、設計家など役割を分断してつくられている建築は、今後コンピュータを媒介とすることで、全体をひとつとして考えることが可能になる。このことによって建築家の創造性や建築思想が大きく変わると言われている。
東京大学では、3Dモデリングを駆使したモデルを製作するデジタルファブリケーションを導入し、建築学生と建設関連企業が協働して実際に小さなパビリオンを建設する実践的な授業を始めています。本展ではこれらの教育とその可能性を映像、模型、図面によって紹介します。
隈研吾のコメント
縦割りに分割されてズタズタになった、二十世紀の建築界をつなぎ直したいという思いで、このT_ADSを(東京大学に)作りました。
まず、デザインする人と、物を作る人とが分裂していました。デザイナーは、かっこよさばかりを考えていたし、作る人は作りやすさと、お金のことばかりを考えていました。作る人の中も、ズタズタに分割されていました。構造体を作る人、インテリアを作る人、それぞれが自分の都合、自分の利益だけを考えて、人間のことを忘れていました。
デザインする人達もバラバラでした。形をデザインする人、構造計算をする人、積算をする人、みんなが自分の領域の中だけでの最適化をめざしていて、全体のことは忘れたふりをしていました。建築の外側にある地域環境のことは、もっと忘れていました。
そんなバラバラにされた断片を、もう一度つなぎ直そうというのが。T_ADSの目標です。つなぐためのノリとして、コンピュータに活躍してもらいます。コンピュータという小さな武器を媒介にして、建築の世界が再びひとつになることが、T_ADSの目標です。
- 日程
- 2016年6月12日(日)~8月22日(月)10:00 – 18:00
- 休み
- 水曜日、8月10日~17日
- 会場
- LIXILギャラリー(東京都中央区京橋 3-6-18 東京建物京橋ビル LIXIL GINZA 2F)
- 料金
- 無料
- 出展作家
- (敬称略)
- 主催
- LIXILギャラリー
- 協力
- 隈研吾建築都市設計事務所、東京大学小渕研究室、T_ADS( Advanced Design Studies, The University of Tokyo )
- 詳細
- http://www1.lixil.co.jp/gallery/contemporary/detail/d_003508.html
イベント登録日:2016年06月19日
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